華鴒園と茶室・長庵

日本庭園・華鴒園(はなとりのその)

 日本庭園・華鴒園は、茶道上田宗箇流15代家元・上田宗源宗匠の設計監理のもと、1993(平成5)年10月に完成しました。枯山水庭園に施された石組と四季の趣を醸す花と木には、桃山を代表する武将茶人であった流祖・上田宗箇の美意識が感じられます。
 開館にあたり、華鴒園について宗源宗匠は、次のようなメッセージを残しています。
 「自分の設計した庭が、何時までも井原市に美術館と共に残ることはこの上なくうれしいことであります。これから先々、時代と共に美術館が益々充実して華鴒の園には色々の花が咲き、沢山の鳥が来て歌って呉れ、庭の樹々が大きく繁茂して呉れる事を心より祈ってやみません。」(上田宗源宗匠は、創設者・大塚長六の義兄にあたります。)

石灯籠越しの庭園

新緑の華鴒園

庭園全景

華鴒園全景

夏の空が広がる庭園

初夏の華鴒園

咲き乱れるシダレザクラ

春、シダレザクラ

新緑に映えるピンク色の

春、ツツジと若葉

雨に濡れる庭園

夏、雨に打たれる

赤く染まった庭園

秋、紅葉

雪が積もった庭園

冬、雪景色

月見団子と生け花

観月茶会

茶室・長庵(ちょうあん)

 開館10周年の記念事業として、華鴒園の一角に茶道上田宗箇流16代家元・上田宗冏宗匠監修による茶室が2005(平成17)年に完成。「萬物の長久」に美術館の未来を託し、庵号は「長庵」と命名されました。施工は、伝統的な数奇屋建築を数多く手がける京都・安井杢工務店が担当しました。屋根は銅版葺で全体を低く抑えられ、茶風を伝える古文書をもとに、台目三畳の相伴席(織部格)をもつ四畳半下座床の構えなど、宗箇好みの茶室として復元されています。
 露地は、作庭家・齋藤忠一氏の手により、庭園で行われる茶会を意識して、園内の芝生を外露地と捉え、長庵の垣の中が内露地という構成になっています。露地も、飛び石の打ち方やつくばいの構成、伊勢砂利を敷き詰めるなど、宗箇好みの特色を随所に取り入れ、華鴒園とやわらかく調和しています。

外観

長庵外観

茶室

茶室

扁額

扁額/上田宗冏家元揮毫

露地

露地

露地から華鴒園を見る

露地から華鴒園を見る