当館のコレクション
【収蔵品・展示内容】
竹内栖鳳に学び、堅実な写生に基づく端正なフォルムと清雅な品格漂う厳格な花鳥画世界を確立した金島桂華の作品を中心に、近現代日本画・洋画壇を代表する画家の作品と彫刻等合わせて約600点を収蔵しています。
これらは季節感を第一としながら、収蔵作品を様々な角度から概観できるようテーマを設け、年4~5回の展示替えを行い展示し、さらに年1回特別展を開催しています。
【金島桂華について】
画家・金島桂華は、1892(明治25)年に、現在の広島県福山市神辺町に生まれました。本名は政太。14歳のときに大阪に出て西家桂州、平山直水に師事し日本画を学んでいます。
1911(明治44)年19歳のときに京都に出て竹内栖鳳の画塾「竹杖会」に入門しました。
1918(大正7)年、第12回文展に「叢」が初入選し、1925(大正14)年第6回帝展「芥子」、1927(昭和2)年第8回帝展「鳴于九皐」1928(昭和3)年第9回帝展「牡丹」がそれぞれ特選となり、1929(昭和4)年帝国美術院推薦となっています。
こうして桂華は画壇デビュー以来、徹底した写生を基調とした清澄な作品で官展を中心に活躍を見せ、画壇での地歩を固め、戦後は鮮やかな色彩と、形体の的確な単純化により一層の華やかさを増していきます。
こうした変化により、1952(昭和27)年第8回日展出品の「鯉」が芸術選奨美術文部大臣賞、翌年第9回日展に出品した「冬田」が、1954(昭和29)年の日本芸術院賞に繋がり、1959(昭和34)年には芸術院会員となっています。
日本画壇に残した功績も大きく、京都市美術工芸学校で10年間教鞭をとり、画塾「衣笠会」を主宰して後進の指導にあたるほか、1960(昭和35)年から日展理事を務め、1969(昭和44)年には京都市功労者となっています。
1974(昭和49)年に82歳でその生涯を閉じました。
※掲載されている作品の著作権は著作権者にあります。許可なしで画像の複製・転載はできません。
【その他のコレクション】
桂華作品以外の日本画についても、日本絵画の伝統的なモチーフである花鳥画を軸に収集され、横山大観、竹内栖鳳をはじめ、橋本関雪や前田青邨らの近現代日本画コレクションは美術館をさらに特徴づけ、明治から大正、昭和40年代にかけた、約100年間の日本画の流れを見ることができます。
このほか、近代洋画を牽引した梅原龍三郎、中川一政や小林和作ら個性豊かな作品と、井原ゆかりの彫刻家・平櫛田中らの作品を含め、日本の近現代美術を振り返ることができる充実したコレクションとなっています。
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